スポーツセーフティジャパン
アスレティックトレーナー八田倫子さん(1)
*八田さんご経歴紹介*
オレゴン州立大学卒(1995)
東京都立町田高等学校サッカー部トレーナー(1999-2006)
日本オリンピック委員会(JOC)医科学強化スタッフ・バドミントン日本代表チームトレーナー(2002-2004)
ジャパン・アスレティックトレーナーズ機構(JATO)理事兼事務局長(2005-2011)
東京都立西高等学校硬式テニス部トレーナー(2002-現)
株式会社R-body projectアスレティックトレーナー(2004-現)
私立武蔵高等学校中学校サッカー部トレーナー(2006-現)
NPO法人スポーツセーフティージャパン副代表(2007-現)
帝京平成大学非常勤講師(2012-現)他
取得資格
米国BOC公認アスレティックトレーナー(ATC)/全米公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(NSCA-CSCS)/
日本体育協会公認アスレティックトレーナー(JASA-AT)/
米国NASM(ナショナルアカデミーオブスポーツメディスン)公認パフォーマンスエンハンスメントスペシャリスト(NASM-PES)
<ご活動について>
Q:八田さんがアスレティックトレーナーを目指されたきっかけを教えてください。
19歳の時に、テレビで高校ラグビー選手のリハビリ風景を見たのがきっかけです。当時スポーツ医科学を勉強するのにどうしたら良いかわからず、調べてゆくうちに、日本で最初にアメリカの公認アスレティックトレーナーの資格を取得された鹿倉二郎氏が著者のテーピングの本に出会いました。その本の巻末2ページにNATAのプログラムについての紹介があり、渡米しました。
Q:八田さんは何かスポーツをされておられたのですか?
自分ではバドミントンをしていました。練習は真面目にやっていたほうですが、闘争本能が全くなく、あまり試合向きではありませんでした。(笑)
Q:1999年にはすでに高校のサッカー部のトレーナーをされておられますが、なにかきっかけがあったのでしょうか?
当時はかなり珍しかったのではないでしょうか?
元々、高校のトレーナーになりたくてアメリカへ渡りました。高校の仕事に就いた当時は既に*クレーマーは辞めていたのですが、社長を始め、社員の方々には退社後も大変お世話になり、最初の町田高校もクレーマーの営業マンからのご紹介がきっかけでした。
当時、高校のトレーナーは多くはなかったかもしれませんが、それでもサッカーでは、高校レベルでも大会に行けば必ずトレーナーをお見かけするという環境だったと記憶しています。
*クレーマー:クレーマージャパン
Q:ボランティアではなく、きちんと職業としてサッカー部のトレーナーをされていたのですか?
A:はい、当時すでに東京都では外部指導員という制度があり、その枠で雇用していただいていました。
Q:制度があっても、アスレティックトレーナーを学校や部活に置こう、と思うにはやはり現場の指導者や学校の理解が
ないと難しいのではないかな?と思うのですが・・・。
A:そうですね。幸運にも、その部の監督さんが非常にトレーナーに対して理解のある方で、部の環境向上のために
トレーナーが必要だと思われていたようです。
Q:現在は中学校のサッカー部を担当されているんですね?この部に配属された経緯なども教えていただけますか?
A:これも実は、ご縁を繋いでいただいたお蔭なんです。学校も部も理解が深く、本当に活動しやすい環境です。
Q:ATC(米国BOC公認アスレティックトレーナー)の国内における統括団体
であるJATO(Japan Athletic Trainer’s Organization)の中心メンバー
としても長くご活躍でしたが、Japanese ATCの数は増えていますか?
また、資格取得後は皆さんどのようなフィールドで働いておられるのでしょうか?
A:JATO事務局の業務は、鹿倉氏(初代会長)や泉秀幸氏(現会長)のサポ
ート時代も含めると12年間担当させて頂きましたが、3年前に引き継ぎをして現在は一会員です。
ATCの数は年々増えているとは思いますが、どれくらいの伸びなのかは正直把握できていません。
ただ、帰国後の就職先は明らかに以前よりも選択肢が多い印象があります。
スポーツ現場のほか、大学の仕事、医療機関での仕事、スポーツメーカーでのアドバイザーやフィットネスの現場での仕事などです。
Q:一般的にアスレティックトレーナーは以前より認知度はあがってきたと感じられますか?
A:アスレティックトレーナーという職業名での認知はまだまだかもしれませんが、トレーナーと聞いて想像される業務内容は以前よりも、いま私たちが実際にしていることに近づいてきている気がします。
Q:現在の主な活動について教えてください。
A:副代表を務めるスポーツセーフティージャパンの活動は今年度に入り、新たに動きが出てきて少しずつ活動の幅が広がっています。
また、私にとっては初志である高校での仕事は週に2〜3日ですが、16年目に突入しています。
そして週の数日は恵比寿にあるR-body projectというコンディショニングセンターに勤務しています。
ここはこれまでトップアスリートしか手が届かなかったフルスペックのスポーツ医科学のサービスを、一般の方たちにお届けするためにつくられた施設です。
ここで小学生から80代の方まで、さまざまなクライアントの身体の評価をしています。

当日の取材は、スポーツセーフティジャパンのオフィスにお邪魔して行いました。
右は八田さん、左はスポーツセーフティジャパン代表理事の佐保豊氏
佐保氏は、国内のみならず、世界中で活躍するアスレティックトレーナーです。