河崎賢三医師インタビュー②

2014年05月27日 06:12

<スポーツ現場の安全とスポーツ障害について>

Q:安全面の管理、というところに保護者としては非常に関心があるのですが、その点に関してはいかがでしょう?

A:大きな役割を担ってくれるのは、「養護教員」だと思います。養護の先生がスポーツ外傷や障害においても対応できるような体制になればいいですね。もしくは、教員免許を持ったアスレティックトレーナーが、学校に入っていくような流れも出来てきたらいいですね。

お一人ではなかなか大変だと思いますから、2人体制がいいと思いますが・・・。

 

Q:ジュニア期に気を付けてほしいスポーツ障害はなんでしょう?

A:一番はやはり、やり過ぎにやるものですね。野球肘、野球肩、オスグッド、シーバー病が代表的なものです。

 

Q:親が出来る早期発見のポイントなどはありますか?

A:2つですね。「いつものと違うしぐさ」、と、「痛み」だと思います。そこを観察してあげればよいです。痛みがあれば、病院へ連れて行ってください。

子どもというのは「痛み」のレベルに応じた対応、我慢できる痛みなのか、我慢できない痛み、なのか、ということはまだできません。痛みを我慢してプレーしていれば動きがおかしくなります。

 

Q:病院選びのポイントなどはありますか?

A:「休んだら治る」という病院は連れて行かない方がいいです。(笑) 

原因を取り除いてあげないと、スポーツ障害、というのはまた起きてしまいますし、長く痛みはとれません。オスグッドなどでもそうですね。痛みがあるから休む、1ヵ月くらい休んで痛みがなくなったからまたやる、でもまた痛める。。。と、繰り返してしまうんです。

それはなぜか、というと、その痛みが出ている原因が取り除かれていないから、なんです。

練習を休みなさい、という事はよっぽどのことがない限り、私は言わないようにしています。痛みが出る原因を、出来るプレーをやりながら取り除いてあげられる方法、というのを現場の人間と協力しながら進めていきます。

 

Q:河崎先生のように、その痛みの原因を取り除いてくれるドクター、もしくは病院であるかどうか、というのは親はどうやって知ることができますか?

A:「治療」以上に、「障害予防」に真剣に取り組んでいるドクターか、ということ、は1つのポイントになるかもしれませんね。

そして、原因を見つけるのはドクターですが、実際に改善していくのは、PT(理学療法士)であったり、トレーナーであったりしますから、リハビリをきちんとしてくれるところか、リハビリ室が充実していてそこで指導しているスタッフがスポーツ障害のリハビリについて良く知っているか、というのもポイントですね。

痛みを取る、ということではなく、痛みが出ないようにする動作の習得をきちんと指導してくれるスタッフがいる病院、に連れて行ってください。

 

Q:ケガを良くする子、としない子、の違いは何かありますか?そもそも強い子、はいるのでしょうか?

A:そもそも強い子、というのはいないと思います。

ケガの種類にもよりますが、スポーツ外傷、と呼ばれるもの、骨折であったり捻挫であったり、は、運動があまり得意でない子に起こりやすいですが、スポーツ障害、と呼ばれるいわゆる「使い過ぎ」においては、運動が得意な子、身体能力の高い子、という子の方がよく起こします。

何故かと言えば、やはり「よく使う」から、です。身体能力が高い子、というのは上の学年でも使われ、投げたり、打ったり、と、頻度が多くなってしまうんですね。

 

Q:精神面ではどうですか?精神的に強い子、にするにはどうしたらいいでしょう?

A:私も知りたいですよ(笑)。ですが、過保護はやはりよくないのでは?と思います。子供には「転ぶこと」も必要です。

子どもが転ぶ前に、親が手を差し伸べてしまうと、子供は転ぶことを学べません。

どう転んだら痛くないのか?転ばないようにするにはどうしたらよいか?というのは、実際に転んでみないと学ばないのです。

親は、転ばないようにするのではなく、転んでよいような環境にしてあげることが大切なんだと思います。例えば地面に危険な石やガラスが落ちていないか見る、とか、それらを拾う、とか、ですね。

 

Q:受傷から復帰までの間で大切なことはなんでしょう?

A:復帰の段階で、受傷前よりも良いパフォーマンス状態であること、です。これは絶対、です。

 

Q:親に知っておいてほしいスポーツ医科学の知識は何でしょう?

A:子供たちは成長している、ということ、ですね。成長に見合ったスポーツの関わり方については知っておいてほしいです。

スポーツ医学に関心のある保護者の方であれば、小学生時代は運動神経、中学生時代は持久力、高校生時代は筋力を向上させるのに適している、というのはご存知だと思います。

また、子供は特に個人差、というのがありますから、成長の遅い子、早い子、に見合ったスポーツとの関わり方を知ってほしいですね、特に成長の遅い子、に関しては焦らずに長い目で見てあげて欲しいです。

 

河崎先生は特に野球障害予防に積極的に取り組まれておられます。こちらは、先生も作成に関わられた横浜市青葉区の少年野球連盟肩肘検診手帳。

所属する子供たち全員に配布されているそうです。

野球に関する障害についてはもちろん、保護者や指導者への情報や、障害予防法、リハビリメニューや検診記録などもあり、素晴らしい1冊!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後にスポーツペアレンツにメッセージをお願いします。

 

あくまで子供が主体、親はサポートに徹する、ということですね。

しかし親にしかわからない、ということもありますから、過保護になり過ぎず、バランスを保ちながら支えてあげる、というのが良いのではないでしょうか?

 

 

 

河崎先生ありがとうございました!

 

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