専門家インタビュー

早稲田大学大学院 スポーツ科学研究科 大伴氏(3)

Q:年代別に気を付けてほしいことがあれば教えてください。

 ◆小学生

小さいお子様は転倒しやすく、症状を上手に伝えられない場合があります。ご自身のお子様を良く観察していればいつもと違う様子が見られると思いますので、スポーツ活動中の様子やお家での様子を見てあげてください。

 ◆中学生

子どもは症状などの脳振とうからの回復に時間がかかります。そのため勉強も運動も積極的に取り組みたい時期ではありますが、「休息」以外に回復の手段がないので、十分休ませてあげてください。

また、体格差などもまだある年代なので、指導者の方には学年だけで振り分けるのではなく、各個人の体格や技術なども考慮した指導を徹底してほしいですね。

 ◆高校生以上

脳震とうを受傷してしまった場合はきちんと休むことが大事です。脳震とうを受傷してしまったら、通常以上のプレーはできません。より良いコンディションで戦うため、しっかり休ませます。

 

Q:脳震とうは予防ができますか?

A:できる部分とできない部分があります。できる部分、というのは安全なプレースタイルの確立やルール規制、体格のチェック、などでしょうか。各競技の団体や、指導者や試合をコントロールする審判によって予防できる部分はあると思います。

ただし、コンタクトスポーツはそもそも危険を伴うものなので、先ほどもお話ししたようにアクシデント的なものに対しては予防は難しいです。

 

Q:事前に指導者が準備しておくべきことがあれば教えてください。

A:脳震とうが発生した時に慌てないよう、手元に対応方法のシートを持っておくとよいと思います。EAP(Emergency Action Plan)ですね。私も今分かりやすいシート作成に取り組んでいます。また、ラグビー協会のHPからダウンロードできるSCAT2なども用意しておくと心強いです。

また、最近「全国柔道事故被害者の会」のHPに翻訳した資料をアップしましたのでそちらも是非ダウンロードして一読していただければと思います。

                                                                       

リンク先をご紹介します。脳震とうの怖さー脳震とう対応マニュアル

https://judojiko.net/news/1299.html

 

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