福岡県ジュニアサッカー少年死亡事故

今回、スポーツペアレンツジャパンでは、9歳の息子さんをサッカーの試合中に亡くされたお父様から、メールを通じてお話を伺うことができました。

 

愛する我が子を亡くすという悲しすぎる経験をされてもなお、再発防止のためには、当事者が話し、そのことを多くの方々に知って頂く必要がある!と、取材に応じていただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

 

現在は所属していたクラブとも和解が成立している、ということを鑑み、実名は控えさせていただきます。                    


お父様が強く望まれておられるのは、とにかく「再発防止」

息子さんの死を無駄にしないためにも、その後のクラブやジュニアスポーツにおける現場の意識改革や対応の見直しの徹底です。

 

是非最後までご覧ください。

 

お父様のお話しより・・・・                                  

 

息子の事故について少しお話しさせて頂きます。

3年前(2010年)の事です。
私の三男(当時9歳)はサッカー選手になる事を夢に持っており、本当にサッカーが大好きで暑い日も寒い日も一生懸命練習しておりました。


性格は、恥ずかしがり屋で優しい子供で、親でさえも『キツイ』とか弱気な言葉は聞いた事がない程の頑張り屋でした。

 

息子は、幼児活動を研究する会社が管轄するサッカークラブ に幼稚園の時から入会しており、週一回の練習、年に何度か開催される大会、クラブ練習以外の日は毎日自主練習を頑張っておりました。

 

3年前の11月23日、このクラブ主催の大会が開催されました。

 

私は仕事で応援に行けなかったのですが、前日の雨で地面の状態が良くなかったにも関わらず息子は早く起きて外で練習をしようとしていた為、母親から濡れてるからと止められ、家でゲームをして待っていました。

 

息子は毎回大会を特に楽しみにしていました。

 

学校の宿題の日記には、『サッカー大会で優勝しました。』と、書かれておりました(前日に日記を書いていたようです)。

息子の所属しているチーム(その他のチームも同様)は1、2年生チームと3~6年生チームに別れ、2チームで結成されており監督は1人でした。

試合のコートは2コート作ってありました。


試合はその2コートで同時進行され、試合によっては同チーム1、2年生、3~6年生チーム同時に行われ、監督は1人で、両方の試合(2コート)の指示をしていた試合もありました。

 

試合はリーグ戦で進行され、息子のチーム第3試合の途中、絶対弱音を吐かない彼が監督に体調不良を訴えたそうですが、監督は聞こえなかったみたいだったので兄が『弟が、キツイって言ってるよっ』と伝えたようです。

 

その時、監督はどんな風にキツイのか、熱はないのか、触診も何も確認せず、ただポジションを一度もやった事のないGKへ一時的に変更し、出場させ続けました。

 

その間、兄は弟の体調不良を察しなるべく負担が掛からない様に必死に守ったと話しました。

その後、監督は息子をまたFWへ戻しました。

 

当然、息子の運動量は増えたと思います。

 

その試合のハーフタイム時、監督が息子に『まだ頑張れるか?』っと聞くと彼はは『いやだ』っと言って倒れたそうです。

 

その時、息子は意識がなく監督はグランド上でしばらく名前を呼びながらほっぺを叩き反応がないので支部長を呼び、支部長もまたしばらくの間、名前を呼びながらほっぺを叩き、反応がないので抱えて会場施設の棟へ運びました。

 

そこには、AEDが設置されていたのですが使用されなかったそうです。

 

また、救急車の要請も10分以上経ってからでした。